毎度おおきに。京都の鍵屋、らびっとキーサービスの清水です。
今回はお得意様のご依頼を頂き、ある賃貸物件のドアに使われているピボットヒンジの修理です。
とまあ修理と書きましたが実は、今回は修理はしておりません。
修理ではなく、交換でもなく、丁番の新規取り付けを施工した、というのが正確な所。
納期やら工事価格やらの兼ね合いでやり取りを重ねる中で、今回採用となったのがこの方法。
ピボットヒンジはそのままにして、ドアの面の部分に新しく後付の丁番を取り付けるという計画。
そこで今回活躍してくれのが、HORIの面付補修用丁番 №2846。
ご覧のとおり、ドアの面側に後付でつけるピボットヒンジみたいなモノなんです。
ピボットヒンジというのはこれ。
今回はこの上枠側のピボットヒンジの中軸が細くなって緩んできて脱落しています。
長年の使用と、屋根の無い雨ざらしの非常階段のドアという設置環境が、良く今日まで保ったよね~と感心するくらいの劣化を引き起こしたのでした。
雨がちな日が続いていた中で、やっと訪れた晴れ間です。また降り出さぬ内に、素早く取り掛かります。
枠側に穴を開けていきます。コンクリのヤツ、居ないでくれよ~(-。-;)
一番上の枠裏は、下地のコンクリートが居なかったので助かった~。
ドリルで鉄枠に穴を開ける際、枠の下地にあるコンクリートがすぐ裏にいると、鉄工ドリルが鉄枠を貫いた瞬間にコンクリートに当たって、一発で刃先を潰して駄目にしてしまうのです。
ドリルビットも安くないんやで~、コンクリートちゃんよ~(´_`。)
無事に一番上の2846丁番が付いたの図。ちなみに今回は重い鉄扉なので、丁番は3枚ほど取り付けます。
そういえばこの作業現場の非常階段ドアは3階だったのですが、その作業スペースからの眺めがこれ。
松尾大社方面を望んで、いい景色だな~。
足元はこんなくらいの広さ。そして金網製の柵。
この柵がまた低くて、身長175センチの私のみぞおち位の高さなもんですから、この眺めの良い方向の柵のギリギリの所に作業用の脚立を立てて上に乗ると、なかなかスリリングゥ~~!(((o(*゚▽゚*)o)))
グラリと来たら、かなり高い確率で火サスのオープニング直後の被害者みたいな姿を晒すことになりそうな事に、作業後40分くらいしてようやく気づく始末。
命有っての物種ダネ~。
ドア中央の上よりのポイントに、2枚めの2846丁番を取り付け完了。
流石に1枚の2846丁番で10個、枠側だけでも6個も開けるビス穴の中で、下穴の裏にコンクリのヤツが出てくる穴が、中段ともなると流石にあります。
ドリルビットがここで2本ほどメンテナンス部屋行きとなりました。
下側の2846丁番も何とか無事に付きましたの図。
ここでドリルビットがまた2本、お討ち死に~!
そして何とか、ようやく完成しました。。。
ふぅ~。。。落ちないで終われた( ´_ゝ`)
う~んスムーズで滑らかな動き~。
今回のようなピボットヒンジというものは、凄く長く保つのでその分、今ドアに付いているものが廃盤になってしまっているということも多いのです。
同じものや、それ用に発売された後継品番じゃないと、ドアや枠側に切り込まれた取付用の穴にはまらず、交換が出来ないのですね。
また、上枠側の軸受の部品が、枠に溶接されていることも多々有り、それがまた交換による補修をより困難にさせる原因ともなっております。
そういった事を踏まえて開発されたのがこのHORI 面付補修用丁番 №2846。
こういった製品は、現場の職人という立場からすると本当に気が利く有り難い製品だな~と、取り付ける時に実感します。
ピボットヒンジのままの見た目で行きたいというご希望の時は、ピボットヒンジを補修していきますが、こういった選択肢も有る事をご紹介できる良い事例の現場となりました。